転職を成功させるとき、使える資格を持っていれば有利になることがあります。しかし「使える資格」は実は意外と少ないのです。
書類選考は履歴書と職務経歴書によって行われますが、履歴書に書かれた資格だけで面接に進める人は「かなり特殊な資格」か「難易度が高い資格」を持っている人に限ります。
実際は「使える資格」を持っている人は少ないのです。
今回は、「資格なし!」資格を持っていなくても転職を成功させるコツを紹介します。
「書ける資格」と「使える資格」を区別しよう
履歴書に書く資格にこだわる人ほど「資格の数」を気にしがちです。
履歴書に書ける資格は、一般的に「2級以上」といわれています。どのような資格でも2級以上になると合格が難しくなるためです。
しかし、2級以上の資格ならば「使える資格」というわけではありません。転職に活用できる資格は、募集している職種と関連がある資格です。
つまり、履歴書に書ける資格は2級以上ですが、使える資格は「2級以上」というわけでもないのです。
例えば、経理職に応募するならば関連ある資格は「簿記資格」や「英文会計」や「税理士」でしょう。
以前は「日商簿記2級以上ならば履歴書に書ける資格」と言われていましたが、最近は3級でも合格率はとても低くなり、内容も以前の2級の範囲が大部分をしめるようになってきました。
そのため、日商簿記3級であっても履歴書に書ける資格であり、使える資格と言えるでしょう。
また、英文会計は採用担当者であっても資格の内容を正しく理解している人は少ないのです。
資格欄に「英文会計」と書くよりも、職務経歴書に具体的に英語を使ってどのような経理事務をしていたのかを書いた方が効果的です。
税理士の資格は、「税理士」になるまでにいくつもの試験に合格する必要があり、途中の過程でも評価に値します。
「所得税」や「法人税」など、会社に関連のある科目を合格しているのならば、書いておいた方がいいでしょう。
就職・転職希望者の履歴書の中には、全く職種と関係のない資格をたくさんかいてあるものもあります。
一見、資格をたくさん持っているため高評価になりそうですが「時と場合を理解できない人」と思われて評価が下がる可能性があります。
書くことによって評価が上がる資格は「使える資格」ですが、書くことによって評価が下がる資格があることも知っておくといいでしょう。
資格よりも経験が強みになることもある
特別な資格がなかったとしても、経験が強みになることもあります。
例えば「前職での部下を育ててきた経験」は、資格では表現することはできません。しかし会社では人を育てた経験がある人は、貴重な存在なのです。
資格がないからといって自信を無くすのではなく、資格よりも勝る経験を持っていないかを棚卸してみるといいでしょう。
資格で表現できない経験には、教育力のほかにもプレゼンテーション能力や柔軟性があげられます。
また、数々の資格にチャレンジしたものの合格までたどり着けなかった経験があるならば、チャレンジ精神や向上心として経験を伝えてみてもいいでしょう。
「資格」は自分を高め続ける手段
就職・転職を有利に進めるための手段として資格を取得する人もいますが、資格取得を「自分を高める手段」として考えてみるといいでしょう。
就職・転職活動に資格取得が間に合わなかったとしても、採用後も働きながら資格取得を目指すことを伝えることができれば、評価につながることがあります。
資格取得を目指すことは大変ですが、働きながら資格取得を目指せば、その後の転職に有利になるだけでなく、スキルアップや昇進に役立つかもしれないのです。
資格を取得することで、新たなスキルを身につけ新たなチャンスを手に入れることも可能になります。
現在資格をもっていない人も、将来のビジョンを見据えながら「使える資格」取得を目指してみてはいかがでしょうか。
まとめ
「資格」は、その人が持っているスキルを客観的に評価するために非常に有効なものです。
採用担当者は、資格をみることでスキルだけなく、その人が努力家なのかを知ることもできるのです。
なにかを目指して頑張っている人は、面接でもとても魅力的な人にみえるものです。
資格取得というと、つい合否にこだわりを持ってしまいがちですが「生涯勉強し続ける」ということが、資格取得の大きな魅力なのではないでしょうか。