転職活動は、小さな決断の連続です。
「どっちを選ぶ方がいいのか」もしくは「こっちを選ぶと法的に問題があるのか」など頭を悩ませます。
しかし、転職活動中の決断はスピードが求められます。
迷っている間に、ライバルに内定が出される可能性も考えられるのです。
今回は、転職活動中にしばしば強いられる「究極の選択」の中からいくつかの具体例を挙げ、速く正確な決断をするためのヒントをお話しします。
⇒就職・転職先が決まらない「3か月目のスランプ」を乗り越えるコツ
会社が倒産するかも!倒産前に転職すべきか?どっち?

「勤めている会社が倒産しそう」と感じたら、いてもたってもいられなくなるかもしれません。
すぐに転職先を探して、生活に影響が出ないようにしなければと思う人もいるでしょう。
しかし「倒産したから転職活動を始めた」と「倒産しそうだから転職活動を始めた」とでは、大きな違いがあるのです。
「倒産したから」の場合は、会社都合の退職になります。
しかし、「倒産しそうだから」の場合は、自己都合の退職になるのです。
転職活動をする場合、会社都合と自己都合とでは「志望動機」の書き方や採用担当者の受け取り方が異なります。
会社都合の場合は、採用担当者も「やむを得ない事情」と解釈するかもしれません。
しかし、自己都合の場合は「倒産しそうだったからと言っているが、実は自分に問題があったのではないか」と勘繰ってしまう可能性があるのです。
しかも、会社都合の退職ならば失業保険がすぐに給付されますが、自己都合退職は給付まで時間がかかります。
「倒産」と聞くと、焦りや不安が強くなりますが、一時の感情で行動してしまうことは、とても危険です。
プライドを優先すべきか?受け入れるべきか?

不採用通知を受け取ってから、採用担当者から電話がきて「すでに他社で内定は出ていますか?もう一度面接に来てもらえませんか」と言われることがあります。
一度「今回は縁がなかった」と言われたのに、今さら「はい伺います」と答えることは、自分のプライドが許さないかもしれません。
しかし、転職活動中は「不採用の撤回」はよくある話です。
転職採用では、複数の会社を同時に受けている人が多いため、採用を出したにもかかわらず、内定辞退されることも多いのです。
内定辞退をされた会社は、一から採用活動をスタートさせなければなりません。
膨大な手間とお金を再びかけるならば、不採用にはしたけれど「合格に近かった人」の中から選んだ方が効率がいいのです。
不採用からの採用は、プライドを傷つけるかもしれませんが、考え方によっては「棚から牡丹餅」でもあります。
もしも、面接を受けた印象が悪くなったのならば、素直に受け入れたほうがいいのかもしれません。
派遣先から「正社員にならないか」と誘われた!

派遣社員として働いていたけれど、正社員に魅力を感じて転職活動を始める人も多いのではないでしょうか。
「転職活動をしよう」と決断していた矢先、派遣先から「正社員になりませんか」とお誘いを受ける人も意外と多いようです。
正社員の転職先を探すつもりであったのならば、働きなれた会社でそのまま正社員になれることは、願ってもない機会です。
しかし、ここで頭をかすめることが「派遣会社は、派遣することで収入を得ているのだから、正社員になるということは、派遣会社を裏切ることになるのではないか」という疑問です。
たしかに派遣会社は、人を派遣先に派遣し、支払われた給与の中から一定の割合を受け取ることで収入を得ているものです。
そのため、派遣している人と派遣先が直接契約をする「正社員」になってしまうと、派遣会社としては収入の元を絶たれてしまうことになるのです。
長年同じ派遣会社から派遣されていた人は、派遣会社に愛着を感じていることが多く、正社員になることは「派遣会社を裏切ること」と思ってしまう傾向があります。
しかし、法的には「派遣契約が終わってから、派遣先の正社員になることは問題ない」とされています。
派遣社員として働いているということは、一定の契約期間が設けられているはずです。
派遣会社は、契約期間間近になるとスムーズに次の会社を紹介できるように準備を進めてしまいます。
派遣会社に迷惑をかけないためにも、正社員のお誘いを受けたいと思うならば、契約満了前に派遣会社に「契約の更新はしない」という話をしておくようにしましょう。
どっち?迷ったら

転職活動には、スピードある判断と行動力が求められます。
「どっち?」究極の選択を求められたときには、自分のプライドや感情だけで決めないようにすることが大切です。